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DATE: 2010/03/27(土)   CATEGORY: かもかてSS
かもかてSS09【ヴァイル憎悪+ユリリエ愛情】
→最近ヴァイル憎悪+他キャラ愛情or友情が流行り
→ヴァイル党員名称未定、逆に誰も助けに来ない全方位嫌われヴァイル憎悪Bをやろうとする
→失敗
→ヴァイル憎悪ED失敗が通算十回を達成
→未定ツイッターでブチキレ「寝取られエロSS書いたらぁぁぁ!寝取るのは誰だ!」
えりにーすさん「ユリリエで」
→未定「了解した!」


そんなこんなで突貫で書きました。
ネタ練りも修正も推敲もしてないクオリティですみません。
男レハトなので最初は「俺」で書いてたのですが、書き癖で油断すると一人称が「私」になってて閉口したので全部「私」にしました。



というわけでヴァイル(女)憎悪+ユリリエ愛情でれっつごー。
上手く入れられなかったので直接的なえろはない。



天井の白さを、見ている。

神殿に行きたい、などと思う。
額の印に神が宿るならば、あるいは神に懺悔すれば、奇跡が起きるかもしれない。
そんな自分の考えに、ふと自嘲する。
神がもしいるとしたら、それは私を陥れるためであって、救うためではない。
一体私が何をしたというのだろう?
お前には選定印があると、王となるべき資格があるのだと言われた。
何の脈絡もなく無理やりに城に連れて来られ、もう故郷には帰れないのだと言われた。
その言葉が子供の柔らかい頭に一体どれだけの衝撃を与えたことか。
私はただ「良い子」でありたかっただけだ。
だから、言われたとおりに王を目指し、手を差し伸べてくれる人を愛し、初めから故郷を持たないヴァイルを当然のように憎んだ。
王位が二つあったならば、私はきっとヴァイルに敵としての憎しみではなく同士の友情を感じただろう。
だが、今やすべての選択は過去のことだ。
最大の幸福を目指した私に与えられたのは、塔の一角に幽閉されるという、言わば最大の不幸だった。
扉が軋む音が聞こえる。隙間から、わずかな光が漏れ出でて、天井をかすかに染める。
あんなに細い隙間から、よく入ってこれるものだ。

「元気してた? レハト」

寝台に寝転がったまま、首だけ動かして戸口の方を見やった。
首を傾げて尋ねてくるヴァイルの眼差しの奥には、見目に似合わぬ憎悪が煌めいている。
憎んでも憎みきれない男に抱かれたいという彼女の心情は、私の理解を超えていた。
顔を合わせるまではまだ見ぬ私に好意を持っていたという、そのことを諦めきれないのだろうか。
ヴァイルが私の寝ている寝台に乗ってくるのを、追い払うことはしない。
以前相手の意に沿うのが嫌で相手をせずにいたら数日食事を抜かれたことがあって、それ以来逆らわないことにしたのだ。
諦めるのが一番楽だった。今の私は、所詮囚われの身に過ぎない。
王となれよと己を鼓舞し、伯爵の令息と可憐な愛を育んだのも、もう遠い遠い過去の幻のように思える。
それに。
唾棄すべき欲望が私の中で頭をもたげたが、恥ずべきこととも思わなかった。
若い女の体を好きにできるのは悪くない。
もう私が愛したあの人をこの腕に抱くことが叶わないのなら、なおさら。
服を脱ぎかけている相手を素早く捕まえて足を抱え、その内側に唇を触れさせる。
はだけた衣装の下の滑らかな肌は、何の気持ちもなくても私を高揚させるに十分だった。
やがて私に組み伏せられて甘い溜息をつく相手を、子供のころから未だ愛してやまないあの人なのだと思いこもうとして、不意にそれがいかに冒涜であるか気づかされる。
嫌悪感に吐き気がした。
下らない妄想は止めだ。もう会えは、しないのだ。
脳裏に過ぎるのは、かつてあの人が私に示したからかうような問いと、時に見せる真摯な表情。

――本当の愛とは、何なのでしょう。

憎しみは、知っている。
愛する喜びも、彼女がいればこそ学ぶことができた。
では憎悪の笑みで愛を交わす、ヴァイルとのこの関係は一体何と名づけられるべきなのだろうか。
何でもいい、考えることを止めて、楽しむことだけに集中すればいい。
そして終わってしまうと急速に怠くなるのも、いつものことだ。
着替えたヴァイルが用もないのに冷めたお茶を飲んだりしてすぐに出ていかないのが疎ましく感じて、早く出ていけと叫ぶと、鋭い視線が飛んできた。

「言われなくたって出ていくよ。俺だって暇じゃないんだしさ。あんたと違って!」

激しい音をたててカップを机に叩きつけ、ヴァイルが立ち上がった。
早足で出て行こうとして、ふと扉に手をかけて振り返る。

「そうだ。ユリリエのことなんだけど」

突如告げられた名が、私の心にひやりとしたものを残してわだかまる。
ユリリエ。
ユリリエ・ヨアマキス=サナン。
その名を刻む口元の残忍な笑みは妙に不釣り合いで、それがヴァイルを醜く見せていた。

「もう、城には来ないから。
レハトのことで何かと鬱陶しいからさぁ。あいつ嫌いって言いふらしてやったら家の評判もあるし、顔出せなくなっちゃったみたい。
王様権限ってすごいよね。気に入らない奴を遠ざけるなんて造作もないんだからさ」

一言一言が、陶器の破片のように白く突き刺さる。
故郷から引き剥がされ、王位を奪われ、尊厳を傷つけられて、大事なものなんて、もう何一つ残ってはいないと思っていたのに。

「……諦めたら? 俺のことが好きだって、言いなよ。言えたら王配にでもしてあげよっか」

勝利を確信したらしいヴァイルが笑う。
だが絶望に耽ると同時に、ある幸福が、同時に私の体に熱を与え、私に前を向かせた。
囚われの寵愛者のことで、ユリリエがヴァイルに楯ついたこと、そして、城から排斥されたこと。
それはユリリエが未だ私を忘れていないことの、まぎれもない証左だった。
故郷も、冠も奪い去り、ユリリエを遠ざけて、私の命さえ好きにできる立場にありながら、ヴァイルもついに私の愛だけは、奪えないでいる。
笑いだしたい気分だった。
勝利と敗北とが私の中に同席して、親しい友人のように手を取り合っていた。
私はそっと戸口に寄って、初めて、自分からヴァイルを抱いた。
愛している。その言葉を、何のためらいもなく吐きすてる。
俯いて小刻みに身を震わせる彼女を強く抱きしめて、愛が、私を強くしていた。








そうだ。
あの日から、どのくらい、経っただろう。
囚われて、どのくらい、無為に過ごしただろう。
昼が過ぎ、夜が来て、時折ヴァイルがやってきて、それもいつしかふっつり姿を見せなくなった。
何日、何週間、何ヶ月経ったかなど覚えてはいない。
無論彼女が私を王配と成して、この戒めを解く日が来るとは微塵も思ってはいなかったが、彼女のほかに訪なう者もいない部屋で、一人で過ごすのは快かった。
私は己の境遇に慣れ、一人朽ち果て、腐り始めていた。
この美しい牢の中で。

「レハト様」

入ってきた侍従頭が私に恭しく礼をする。
形ばかり、礼儀ばかり。

「……が、具合が悪いと言うので一旦暇を取らせました。戻ってくるまでの間は、他所の侍従がお部屋に入ることもあるかもしれませんが、構いませんでしょうか」

名を聞き取り損ねたが、どうでもよかった。
ただ構わない、と答える。
それからふと思いついて、ヴァイルに話は通したのか、と私は尋ねた。
部屋に来ないということは大方私に興味をなくしたということなのだろうが、私も随分と厭世的になっていたらしい、新しい者が部屋に入ることで後々面倒事になるのが嫌だったのだ。

「……はい。レハト様にご相談するより先に、許可を頂いております」

果たして、侍従頭は頷いた。
それならいい、と呟いて、私は侍従頭を下がらせ、読書の続きに取り掛かった。
もう私は、私自身のことさえ見限り始めていた。
ユリリエに会いたい、と思ったが、それが許されるはずもなく、もう何もかもがどうでもよかった。
一人でいたかった。
次第に暮れてゆく部屋には、囚われの主のほか、誰の姿もない。


……ふと、ページをめくる手に、何かが触れた。
背後に人がいるのだと気づいて、ぎょっとして視線を落とすと、私に重なる手の白さに、心臓が跳ねた。
誰だ、と問うことはしない。

「……お変わりなさそうで、安心いたしましたわ、レハト様」

その声。
忘れはしない。
過剰な期待に呼吸が苦しくなって、動悸がする。
振り返るのが、怖かった。
振り返って、別人だったらと思うと、怖かった。
だがやっとのことで彼女の名を呼ぶと、確かな優しい声がそれに答える。
ああ。彼女だ。私の愛した、私の望んだ人。
手を取って、それを胸に抱きしめる。
目の奥が霞んで、ここで泣くのは情けないと思いながらも、止められない。
なぜ。城から遠ざけられた彼女がなぜ今、ここにいるのだろう。
奇跡、という言葉が心に浮かんで消えた。
ようやっと体ごと後ろにやって、陰りゆく日差しの中で、彼女――ユリリエと向かい合う。
そして、記憶にあるユリリエと同じで、だが違う姿に、気づいた。
いつも身を飾ることを忘れなかったユリリエが。
貴族のドレスに身を包み、優雅な振る舞いを忘れなかった彼女が。
侍従の衣装を着て粗末な帽子を被り、化粧っ気もなく、そして、何より……。
信じられなくて、私はユリリエの頭から肩の方へと、ゆっくりと視線を這わせた。
長い髪が、ばっさりと切られている。

「あら、こんなもの」

ユリリエは私の視線に気づくと、ありもしない髪を後ろに跳ねあげて、鈴を振るような声で笑ってみせた。

「使用人の振りをするには邪魔なので切ってしまいましたの。いろいろと大変でしたのよ。
お友達の鹿車に同乗させて頂いて、普段なら話もしないような下々の者たちに、一体いくつ頭を下げてお金を配ったことやら」

まるで天気の話でもするかのように屈託のない、だが強い口調。
彼女が支払った犠牲の大きさに胸を突かれて、私は何も言えずにただ黙り込んでいた。
代わりに両手で私の頬を挟んで、ユリリエが私の顔を覗き込む。
ユリリエの目は引き込まれそうな深い色をしていて、見つめられるとそれだけですべて投げ出したいような気持ちになった。

「私、諦めきれませんでした。
レハト様のおかげで本当の心というものが分かったのですから、諦めきれなくて当然ですわ」

ごく近くで、うっとりと私を見つめながらユリリエが聞いてくださいますわね、と囁いた。

「私はヨアマキスのために性別を選びました。
かりそめにも王配を狙って城をうろつきもしました。
でもそれは、私の本当の心ではありませんでした。
私は私の生き様に後悔はしたくありません。ですから、レハト様……。」

途中で台詞が途切れたのは、唇が触れたから。
蕩けるような感情を絡めて、お互いをかき抱き、言葉よりも強い絆で、結びつこうとする。

「お慕いしておりますわ、レハト様。一目会いたさに見つかればただでは済まないようなことを仕出かしてしまいましたけれど、お嫌いにならないでくださいね?」

しばらくして互いの顔が離れ、ユリリエがそう言って微笑んだ。
どんなにか、嬉しかったことだろう。
彼女の可憐さに、強い意志に、愛に殉じる心に応えたかったことだろう。
手を取って、抱き合って、私も愛している、と叫びたかった。
だが私の心に黒い霧のように忍び込んでくるものが、私を操ってつとユリリエの背後へと視線を向けさせた。
暗がりの中に、いつの間に来たのか呆然と立ち尽くす人影を認め、思わず声を上げそうになる。
それが部屋の中ほどへと足を踏み出すと、すっとその輪郭が明らかになり、ユリリエが鋭くそちらを睨みつけた。

「城から追い出されたら侍従の振りして侵入する?
へぇ、これがあんたがいっつも言ってる愛って奴なんだ。
あんたがここに来る前、俺にレハトが何言ったかも知らずに」

凍りつきそうな声音でヴァイルが言う。
舌鋒の先は私ではなく、ユリリエに向けられていた。

「ね、レハト。言ってくれたよね、愛してるって」

その言葉で、以前確かにそう言ったことを思い出した。
望まれたから囁いた、中身の伴わない空疎な言葉。
隣でユリリエがわずかに身じろぎするのが分かった。
動揺は見せないままに、恐怖など抱かないままに、ただ意思のある怒りだけが、彼女を内側から染めてゆく。
嘘だと、私の気持ちはそうではないのだと、そう言えたらよかったのに。
だが言い訳することは無意味だった。
偽の言葉とはいえ、私は確かにそう言った。

「本当の愛? 馬鹿馬鹿しい。
あんたのそういう甘ったるい妄想には反吐が出る。
なんであんたがここまで来れたか分かる?
見逃してあげたの。
俺があんたを見逃してあげただけなんだよ、ユリリエ。
現実を見せてあげるためにね」

ヴァイルがさらに追い打ちをかける。
ユリリエが、ふと、笑いだした。
決してその真意を見せない高く作られた笑い声。

「……あら。さっきから聞いていれば、面白いこと。
心の伴わない言葉に、何の意味があるのでしょう?
私たちは二人が二人ともレハト様に心奪われた哀れな女。
いい加減、負けをお認めになればよろしいのに」

ヴァイルの顔が、鏡石がひび割れるように歪んだ。
何か反駁しようと唇を噛んで、言葉にならないかのようにかぶりを振る。

「あんた、何言って……そうやってふざけるのも大概にしなよ。
俺は負けてなんかない、冠だって俺のものだ!」

きっと顔をあげて、ヴァイルが叫ぶ。
だがユリリエは笑顔を崩さなかった。

「……可哀想な子。己に向けられた愛を受け入れられず、己の内にある愛に気づかない。
行きましょう、レハト様」

行きましょう。
その言葉の意外さに私が驚いていると、こちらを見ないまま手にユリリエの指がすっと絡んできた。
握り返すと、優しく引かれる。
ヴァイルのことなど初めから見えてもいないかのように、傲然と顎を反らして、開いた扉からユリリエと私とは外に出た。
最後に顔だけ向けてヴァイルを見やると、私たちに背を向けたまま俯いているのが目に入り、その体がかすかにわなないているように見えて私は目を凝らしたが、ユリリエに引かれてそれは叶わなかった。
部屋の外には見張りの衛士がいたが、ヴァイルが中にいることを知っているのだろう、互いに顔を見合わせたまま、混乱して立ち尽くしている。
その横を通り抜け、角を曲がり、拍子抜けするくらいあっさりと、私の監禁生活は終わった。


廊下をずっと進んでから、立ち止まる。
不意にユリリエが私に向き直り、その顔に先ほどまではなかったはずの疑念が沈んでいることに私は気付いた。
かつては本当に結びついていた。愛し合ってもいただろう。
だが、会わない歳月が、知らない間に私とユリリエとにごくごくわずかな亀裂を作り、それが今、私の目の前にあった。

「……言葉は時に、人を謀るものですわね」

ユリリエは疑っている。
ヴァイルが言った、あの言葉を。
私が彼女に、本当に愛を告げたのだと。
いや……本当の愛を、告げたかもしれないと。
だが本当の愛とは一体何だろう。
得られたかもしれないもの、得られていたかもしれないもの。
ユリリエが、不意に憎しみのような激しさで手を振り払った。
だがそのことさえ、私に何の感慨を起こしはしない。
ユリリエと同じように、私もまた、先ほどの自分の心が急速に冷えていくのを感じていた。
そう、今やっと、気づいた。
牢暮らしの安楽に、孤独の幸福に。
愛だの憎悪だのいうものに、私はほとほと疲れ果てていたのだ。
私は言われたとおりに城に来て、言われたとおりに王を目指し、好意を示されたからユリリエを愛し、廃さねばならないからヴァイルを憎んだだけだ。
水が川に沿って流れてゆくように、すべては運命を超えることもなく当たり前に流れてゆく。
昔も、そして、今も。
それ以上のことなど、奇跡など、初めからあるはずもない。


踵を返してどこへともなく歩き出した私を、ユリリエは追わなかった。
体温が伝わるほど近くにいても、私たちはこの距離を、飛べない。



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