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PCゲームなどのプレイ記録
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DATE: 2009/09/01(火)   CATEGORY: かもかてSS
ああ、うん、落ち着くんだ。
うん。そうだ、落ち着くんだ。
大丈夫だ。私は落ち着いているぞ。うん。大丈夫大丈夫。

公式!ヴァイルきましたね!
羊さんエロ文士さんどうもありがとうね!
分化後、意外と素朴な感じで可愛いです。
「ねーこ!ねーこ!」って言いそうです。大人だけど。
髪の毛、のばしてるんですね。レハトの趣味ですか。
背、低そうな感じですね。へっへっへ(萌)
二次創作イラストで拝見した色っぽいショートカットのヴァイルも大好きですが、このヴァイルもいいですね。

一番可愛いポイントは、「あのルックスで地図が好き」ってとこだと思います!
ちーず!ちーず!


そういや拍手を開けたらエロ文士からの「あれだけなんか離れるのを怖がってる子だと、男女で性別が別れて成長するのも怖がるんじゃないでしょうかと思います。」というGJすぎる電波が詰められていたので思わず私の電波塔が孕んで徹夜出産しました。はぁはぁ。
拍手に詰め返そうかと思ったけどどう見ても字数的に入らないし今さらなのでここに置いときます。
特にえろはないです。




ヴァイル=ニエッナ=リタント=ランテは篭りを終えた自分の容姿がそう変わらなかったことにとりあえず安堵していた。
思っていたよりは変にならなかった。及第点というやつだ。
女になるなんて考えたこともなかったが、それがレハトの望むことなら構いはしない。
扉の前で、ひとつ大きく深呼吸する。
笑われるだろうか。笑われる……かもしれない。
そう思うと急に不安になって、できる限り控え目な音で来訪の鈴を鳴らすと、すぐに中から答える声がして、若い女の侍従が顔を出した。
「あ、ヴァイル様、いらしたのでございますね。すっかりお綺麗になられて……レハト様に伝えてきますです!」
素っ頓狂な声と共に中に戻ろうとするのを慌てて制止する。
外からそっと様子を見たいのだと頼んでみると、侍従は怪訝な顔で睫毛をしばたたかせた。
どうも察しが悪い。
不躾なこととは知りつつ、ヴァイルは侍従の脇からこっそりと部屋の中を覗き込んだ。
何度か訪れたことのある部屋の中、果たして、彼はいた。
心臓が早鐘を打つ。
篭りの間にいくらか伸びた髪がうなじにかかって、かつての面影はそのままに、随分と背が伸びて、肩幅も広くなって。
それは、確かにヴァイルが幼い頃から望み続けた姿であり、それと同時にこの一年求め続けた相手だった。
初めて見る予想以上の姿に、覗いていることも忘れて見惚れてしまう。
すると、こちらに気づいたレハトと視線が合った。
まずい、と思う間もなく名を呼ばれ、明るい声が笑いながら近寄ってくる。
近くだと目線より随分と背が高くて、見上げると挨拶代わりかぐしゃぐしゃと頭を撫でられた。
「……っや、やめ」
思わず身を屈めたその上からさらに撫でられる。
レハトは普段は普通なのに時々こういう態度に出る、人がいなければなおさらだ。
そう思うとかっと体が熱くなった。
未分化の頃、中庭に呼び出されて突然告白された上、動揺した隙をつかれて唇を重ねられたのは未だ忘れることのできない記憶としてヴァイルの中に残っていた。
……篭りの最中はそのことばかり思い返していたのだから、忘れるはずもない。
「え、えっと、散歩! レハト、散歩行こう」
もし侍従に頭の中を読まれていたらきっと恥ずかしさで卒倒しただろう。
益体もない想像に追い詰められてレハトの袖をぎゅっと引っ張ると、レハトの方でも特にその申し出に異存はないらしく、傍の侍従に外出を告げてからこちらへと頷きかける。
「はいっ、ではサニャはその間にシーツを替えておきますです。ごゆっくりです」
純粋な好意に満ち溢れて二人を見送る侍従はきっと一生出世できない系統の生き物なのに違いない。
名前くらいは覚えてやってもいいかもしれない、そう思いながらヴァイルは中庭へとレハトを誘った。

人目を離れると、途端に話すことが次から次へと湧いてきて、広いはずの中庭が狭く見えるくらいだった。
どこへ行こうというあてもなく歩きながら、篭りの間の鬱憤を晴らすかのように喋り続ける。
篭りに入る前は、レハトか自分かが変わってしまうのではないかと不安で仕方なかった。
しかしそれは杞憂だった。大丈夫だ。前と何も変わらない。話題も、相槌も、笑い方も。
変わらない日差し、変わらない温もり。
隣にいたレハトがいつのまにか先に行ってしまうのに早足で追いついて、また話し始める。
篭りの間に読んだ本のこと。王様になること。中庭で見かけた猫のこと。
レハトはゆっくりと歩きながらそれを楽しそうに聞いてくれる。
後ろからちょこちょこと走って隣に並んで、また。
そうやっているうちに、ふとヴァイルは自分がレハトと同じ歩調で歩いていると遅れてしまうことに気付いた。
体格が違う。背が違う。歩幅が違う。
前は何もかも同じくらいだったのに、今は何だかその姿が遠い。
レハトがその気になれば、どれだけ走っても追いつけないだろう、そのことに、愕然とした。
ふと、足が止まる。
後姿が離れて行くのを、ただ見ていた。
距離が開く、その隙間に忍び込んでくる、これは何だろう、約束して、結婚が決まってもいて、何も怖いことなんかないはずなのに。
「……レハト……」
かすれた小さな声では聞こえない。
分かっていて、わざと呼んでいる。
「……レハト。レハト」
男と女を選んで、逆に離れてしまったような気がする。
未分化のままでいられたら、あるいはずっと一緒に歩けたのだろうか。
ふざけあって、同じ背丈で、鏡石に映したような近さで。
ならば何のために人は大人になって、男か女かを選ばなければならない?
ならば触れられてざわめくこの体、囁かれてときめくこの心、それらは何のためにある?

胸の奥で、何かが弾けた。

「レハト!」
叫ぶ。叫んで、全力で駆け寄った。
背後から飛びつくと、抑えていた思いがせきを切って溢れ出してゆく。
「レハト。レハト。置いてかないで。俺のこと、置いてかないで。そんなに速く歩かないで。傍にいて」
すがりついて、しがみついて、決して離すまいとするかのように強く引き寄せて。
約束だけでは足りなかった。婚姻の契約さえ、不安を拭い去ってはくれなかった。
一緒に歩いてくれないと嫌だ。
手を繋いで、いつも隣にいてくれないと不安になってしまう。
レハトが肩越しに覗き込んでくるのが分かった。
俯いたまま手を緩めれば、するりと体を反転させてこちらに相対する。
頭上にレハトの影が落ちる。
ごめん、と謝られた。
――ヴァイルはいつも一人で何もかも背負おうとしてしまうから。だから、守ってあげたくて、男になりたいって言ったのに。
何か言おうとするより先に、抱きしめられ、息を奪われた。
あの時と同じ、約束。
高揚感に攫われてしまいそうになりながらも、それに耐えて目を閉じると、触れたところから入り込む熱が混じり合い、心の奥底にあるもつれた糸を解きほぐしていった。
唇を離してからことん、とレハトの胸に頭をもたせかけると、前と同じように優しく髪を撫でられる。
ああ、人が大人になるのは、きっと子供の頃とは違うやり方で手を繋ぐためだ。
ゆっくりと右手を掲げると、それにレハトが自らの左手を重ねて、温かい腕に甘えてもいい、そのことが今はたまらなく嬉しかった。


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