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DATE: 2009/08/25(火)   CATEGORY: かもかてSS
かもかて二次創作SS4【ヴァイル憎悪Bで良からぬ妄想の続き】

NWY様の理論的な憎悪解説で見えてきた!見えてきたよ!
憎悪Bでろくでもないことに及ぶとしたらそれはヴァイル自身の自傷行為。うん。
ありがとう!結果的に相変わらずエロ妄想になっちゃいましたが(ひどい)見えてきたよ!

というわけでとても納得したので前書いたヴァイル憎悪BのSSの続きを書きました。前の読まないと多分分かんないです。
気遣いキャラの意地を取り戻したヴァイル(男)×全然頑張らない電波レハト(女)でろくでもないことを。
妙な理屈ですがお互いに自傷行為なので今度は合意の上でしてもらったぜ!
ヴァイルに下手と言わしめるレハト様ですが今後の練習次第だよね。今後とかないけどね。テエロ的な意味合いで。


エロいかどうかはともかく性描写を含みます。
十五歳未満の方はご遠慮下さい。

【ヴァイル憎悪Bで良からぬ妄想の続き】



ただの、狂人の、妄想ですから。
医士テエロはそう言ってはたりと書類を閉じた。



私が次に目を覚ましたのは医務室だった。
神に守られた城から、王の手を撥ね退けて逃走を図った哀れな囚人は、もはや寵愛者でも何でもなかった。
私の言葉は誰にも聞き入れられず、包帯を巻かれた下は残念なことにかすり傷だった。
医士が言うには、背の低い灌木の上に落ちて血だらけで気絶していたところをヴァイルが拾って来たのだという。
全く、お笑い草だ。
何の意味もなかった。何も変わりはしなかった。
夢は覚めなかった。いや、最初から夢ではないのだから、覚めるはずもなかった。
包帯を代える時、服を脱いだ私の体は全身至る所がひきつれたように赤くなって、ところどころ血が滲んでいたが、ぼんやりと自らの傷を見つめる私に、こんなの痕も残りませんよ、とテエロは穏やかな嘲りを含んだ声でそう言った。

私のしたことは長い監禁生活に神経を病んだ女の哀れな一人芝居と片付けられ、単に侍従達の警戒の目を一時的に強くしただけだった。
当たり前だ。継承権を持たない私のことなど、誰も必要とはしていない。
私は要らない。要らないのだ。
涙に耐えて呼ぶサニャの名前も、もはや遠すぎて、何もかもが思い出の向こうに霞んでしまう。

「うわ、ひどい顔。……あ、それは前からか」

数日で医務室を追い出されて元の塔に戻った私を、ヴァイルはその日の深夜に訪ねて来た。
持ってきた燭台と本を机に置いて、猫がするように軽く顔を傾けて私を覗き込んでくる。
かつてはほぼ同じくらいの体格だった私達の背丈は、篭りを過ぎて随分と違うものになってしまい、今はそうしなければ視線を合わせることも叶わない。

「ま、これくらいじゃそのうち綺麗に治っちゃうよね」

私の頬を包み込むようにしてヴァイルが言った。
傷痕が残ればいいのに。それは少なくとも私がヴァイルに抵抗したことを証立ててくれる。
屈辱に蒼白な顔をしているだろうことを気取られたくなくて、私はヴァイルに見えないよう固く拳を握り締めた。
私という存在の生き様は、畢竟額の印一つで変わってしまうほど軽薄で、剣の一振りで壊れてしまうほど脆弱で、あらゆる犠牲を支払ったところで何一つ後には残らない、そういうものでしかなかったのか。

「逃げる気だったよね? あんたみたいなふてぶてしい奴が死のうとするはずないもん」
「結局、逃げられなかった」
「どうせどこにも行けないって、前言ったよね」
「俺と同じ」

奇跡になれたはずの感情は、知らないうちに腐って爛れ落ちてゆく。
見つめられ嘲られる不愉快さに、もう寝るから、と言い捨てて寝台に向かおうとすると、当然のようにヴァイルもついてきた。
警戒に動悸が速くなる。
とにかくこの場を凌ごうと、特に考えというほどの考えもなく、私はヴァイルの左手を取って指の間に自らの指を差し込んで誓いの形に握った。
今日は相手出来ない。また昼にでも来てくれたら。

「……何言ってんの?」

だが見上げた私が見たものは、何も信じていないかのように淀んで諦めた微笑。

「どうせあんたは約束なんか守らないよ。分かってる。あいつも約束してくれなかった。それでどっか行った。意味分かんない。いなくなっちゃう位なら何で寄ってくんのかな。好きだとか、言うのかな。あいつも、あんたも」

言葉とは裏腹にぎりぎりと爪が食い込んできて、私は痛みから逃れようとしたが、ヴァイルはそれを許そうとはせず、苦痛に歪む私の表情を楽しむかのようにさらに力を込めて爪を立ててきた。
私に対するものでもない激しい感情を、壊れた人形にそうするようにぶつけられ、混乱する。

「今だから言うけどさ、伯母さんは俺とレハトが結婚するのを期待してたよ。最後まであんたのこと心配してた。レハトと話し合え、レハトと仲良くしろ、同じ境遇なんだからきっと理解しあえるはずだって」
「甥っ子を思う美しい愛ってやつ? 俺のためを思って言ってくれてた、それは確かだった」
「でも伯母さんは俺一人じゃ不安だったんだ。そうだよな、一人じゃやれないと思われてたんだ」
「分かってる、どうせ俺は伯母さんのようには出来やしない」
「だったら何であんな早く行ってしまったんだろう」
「何で」
「何で置いていくの」
「あいつも」
「あの人も」
「大っ嫌いだ」

指先が感覚を失って赤黒く鬱血してゆくのを私はどうすることも出来ずにただ見ていた。
誰に聞かせるでもないヴァイルの言葉が、次第に意味を失って私の意識から砂のようにこぼれてゆく。
後悔、しているのだろうか。彼は。
私を踏みつけにしたことで擦り切れて、孤独に満ちて夜毎こうして啜り泣いているのだろうか。
その想像は疼くような快感を伴い、私の中で、濡れて粘つくヴァイルへの敵意がどろりと熱を帯びた。
それは一種奇妙な優しさで、女を選んだ私はそれゆえに随分と同情的な生き物なのだろう。
リリアノの前で私に負けたあの時に、妙な意地を張らず大人しく王位を譲り渡していれば良かったのに。
無理に奪い取って、今になってその重さに泣き言をこぼすなどとはいかにも愚かとしか言いようがない。
自分でも何をしているのか定かには分からないまま、私はふと繋がった手を強く握り返した。
少しなら、分かち合ってやってもいい。
ヴァイルの弱さが私に余裕を与えていた。
リリアノが王として選んだのは確かに私であり、ヴァイルのその苦悩は、本来ならば私が負うべきものだったかもしれないのだから、少しくらい慰めてやってもいいではないか。
私達は似ていた。私も彼も、選ばれ、同時に奪われていた。
そして互いの境遇を憐れみ、憎み合い、そしてそれ以上に理解し合っていた。
疑い深く私を睨めつけるヴァイルの肩に腕を回し、顔を寄せる。
息がかかるほどの距離。見開かれた瞳。私は……

「あんたの同情なんか要らな……」

唇の端に優しく口付けてやると、ヴァイルは驚いたように言葉を飲み込んで黙った。
そのまま滑らせて、頬、瞼、後は子犬が同輩にするように唇を舐めてやる。
つい先日私の身に起きたことを忘れたわけではない。
否応なく酔わされ凌辱され、ひどく傷つけられた。
だがその時彼も同時に激しく傷ついていた、それもまた確かなことだった。
もしかしたら、それで十分なのかもしれない。
ヴァイルが私にしたことを許すつもりは全くなかったが、私に残った癒えない傷はそのまま彼の傷となってその生涯を苛むだろう。
この手がもはや剣を握ることがないのであれば、頭上に冠を掲げて死を命ずることが叶わないのであれば、額に神の恩寵が得られないのならば、私の出来る最大の復讐はこの体を傷つけ汚していることではないか。
己の手首を切り刻めば、それがそのままヴァイルに返る、世界から切り離された私にとってそれだけが私の生を証明する絆。
これから負わなければならない不安を振り切るように、目を閉じて、息を吐く。
再び体を捧げることに恐れがないわけではない。
だが唇を味わううちに、互いの舌先が触れ合って、それは段々と遠慮なく絡みつき、最後の躊躇いを押し流してゆく。
意識が、陰ってゆく。代わりに目覚めるのは期待の皮を被った悪意。

肩口から胸へうっすらと斜めに入った傷痕を舌でなぞって顔を上げると、ヴァイルは私の髪を梳いていた手を止めて、額に口付けを落とした。
柔らかく温かいものが額に触れてくすぐったい。
死ねば良かったのにね。
私が城に来る以前御前試合でついたというその傷痕を見ながらそう言ってやる。
ヴァイルが生きている意味なんてなかったよ。代わりは居るんだから。私が全部上手くやってあげたのに。

「俺もあの時レハトを殺せば良かったって思ってるよ」

どちらがより王権に近いか、神に愛されているか、思えば争わなければならなかったのは不毛なことだった。
選定印があるという、それだけで王となる資格があるのなら、最初からそれは一人でなければならなかった。
神の恩寵を試した私達は、背約者の名を受けて神の国へと迎え入れられるだろう。
今からでも殺せばいいのに。
呟いて屈み込み、私は片手をヴァイルの膝にかけて足の間に躊躇なく顔を埋めた。

「……っ、そんなこと、しなくていい……」

さすがに動揺したのか、ヴァイルの体が小さく跳ねた。
構わず、口に含む。
初めてする行為だったが、抵抗感はなかった。
舌を使いながらさらに深く咥えこむと、喉の奥が圧迫され、私は思わず嘔吐感にえずいた。
もっと堕落すればいい。
比翼の鳥が飢えの余り互いを啄んで血を流すように。連理の枝が互いを蝕んで枯れてゆくように。

「……もういい。あんた下手だし」

上から冷めた声が降ってきて、髪をつかんで引きはがされた。
痛みとその強引さに鈍い怒りを感じて向き直ると、ヴァイルもまた幾らか息を荒げながら苛立ったように私を見返していた。

「しなくていいって言ったのに」

不愉快さに私は返事もしないまま起き上がり、手の甲で自らの唾液に汚れた顔を拭った。
空いた脇にヴァイルが手を差し込んで私を抱きしめる。
背の傷を気遣ってか、それとも時間をかけて辱めるつもりか、髪を撫でられ、壊れ物を扱うようにそっと壁際に座らされる。
情けなく悲鳴を上げて怯える真似だけはしないよう祈るように両手を重ねて、だが神に祈る真似などするはずもない。
神は応えない。あらゆるものを与える振りをして奪い去ってゆくだけだ。
膝を立て、これから起こることに耐えようときつく目を瞑ると、逆に意識がそちらに囚われてしまい、慌てて目を開ける。
投げ出された体の向こうで、わずかに目を細めてヴァイルが笑った。

「そんな顔するから」

早くしろ、と急かすと生返事が返ってきて、代わりに胸の谷間に舌を這わされた。
両の胸に柔らかくヴァイルの髪が触れる。
あまり間を置かれると気持ちが揺らいでしまいそうで、耐えなければいけないと頭では分かっていても、時間と共にほどけていく意志を止めることが出来ない。
しつこい位に弄ばれ、せがむ言葉が半ば懇願のようになってゆくのが、受け入れることへの不安からなのかそれとも悦楽への期待からなのか、それすら良くは分からなくなってゆく。
それをヴァイルは楽しげに眺めていたが、本人もそろそろ限界に達したらしい。
ふと私に何かを宛がい、手を伸ばし、ほつれた私の髪を耳にかけて、ゆっくりと入ってくる。
突き通される感覚に、否応なく背がしなる。触れた壁が冷たい。
気まぐれにひきつれたような痛みを奥に残しつつも、契ることを覚えた哀れな私の体はそれを簡単に飲み込んだ。
吐息混じりの声が高く響き、自分でも初めて聞くそれは見知らぬ女の嬌声のようだった。

「すごい声。王様になろうなんて考えるより娼館にでもいる方がお似合いだったんじゃない」

ヴァイルが蔑むようにそう言い、不意に運命の恋人でも抱くように強く私をかき抱いた。
引き裂くように繋がり合う。
痛みと快楽と、被虐心と加虐心とが、混濁し、刃のように煌めいて血を流す。
さぁもっと突いて。もっとよがらせて。腹の奥から腐って死ねるならそれがいい。
苦しい息に喘ぎながら、私は笑った。ヴァイルも笑っていた。
湖に囲まれたこの城はどこの街へも続いているのに纏う空気はどこか監獄のようで、縛るように手を重ねたまま、虜囚と王とは存在の境をなくしてゆく。
悪意という名の剣を鏡石に叩きつければ、石の中の像は砕けて、割れた破片が歪な輝きで新たな傷を刻む、それが楽しくて仕方がなかった。
私が、そしてヴァイルが、互いという歪んだ鏡石の中に見出したのは、果たして愛だったのか、憎悪だったのか、過去だったのか、現在だったのか。
それすらもう、どうでもいいような気がして、愛している、と試しに何もない虚空へ囁いてみると、それは面白いほど空疎な響きをして闇に溶けた。
視界が揺れて、極彩色の妄想に痺れて感覚のない、突かれる度に息が止まって、言葉にならなくて、ああ、熱ばかりが、私の脳裏を埋め尽くして、塗りつぶして、歪曲して放散して全部肯って拒絶して、こんなものに溺れてはならないはずなのに、嘘、もうやめて……
私は悲鳴を上げた。それは前とは別の恐怖で、前と同じ不安だった。



気がつくと、夜は青く明けようとしていた。死のような沈黙。
どうやら眠り込んでいたらしい。いや、違う。おそらくは途中で気絶したのだろう。
そう思うと、激しい自己嫌悪に襲われ、せめて昨日起こったことを確かめようと、私はそっと下腹に手をやった。
酔いの後のように鈍い痛みを訴えるその部分を探ると、中を満たしていた体液がぬかるんで指にまとわりつき、何気なく口に含むと嗅いだ事のないにおいと喉に焼けるような違和感を残す味とがして、それが何であるかを否応なく私に悟らせる。
さすがに平静を保っていられず、棺のような寝台の上から辺りを見回すと、窓際の机に見覚えのあるものが置いてあった。
近づいて手に取ると、ヴァイルが持ってきてくれたのだろう、それはあの時の詩集だった。
露台のない窓辺からちらりと下を見やる。
さらに窓辺へと一歩踏み出すと、不意にするりと胸の前に手が絡んできて背後から私を引き寄せた。
触れた肌から染み込んでくる体温は、考えるまでもなくもしこの運命を違えることが出来たなら愛しく思ったかもしれない相手のものだった。

「約束したよね」

底冷えのするような声音でそう言うヴァイルへと、大丈夫だと答える代わりに肩越しの口付けを与えてやる。
約束はしない。その代わり、愛を語ることもしない。
それであっても、互いが互いに抱くこの憎しみは額の徴よりさらに深く私達を運命づける。
窓から手だけ出して、持っていた詩集をそっと放す。
重さがなくなって、見えなくなって、そして鳥が羽ばたくような紙の音がして、それだけだった。
自由の重さなどこんなもの。望んだものは羽より軽く飛び去ってゆく。
背後から胸に触れられる快感に、頭の奥が思考することをやめ、私は特にそれを恥じることもなくヴァイルが寝台に誘おうとするのに任せた。
絡み合う腕と、互いを呼ぶ声と、伝う熱と汗の味と置いて行かれる寂しさと、その全てを超えて狂おしく抱き合い求め合う。
せいぜい欲しいだけ傷つけ傷つくがいい、いつかどちらかがこの腕をすり抜けて神の国へと逃げてゆくその日まで。





青い夜明けの光の中で、テエロは縫いつけられたようにそこに佇んでいた。
彼の主君はまだ自室に帰っていない。
おそらくここにいるであろうこと、そして彼らが何をしているかは考えなくても分かった。
……叶わぬ想いだと、始めから分かっていた。
ただ、突然やってきて、まるで運命で結ばれている同士なのだと言わんばかりの不遜な顔で、自分がかつて愛した想い人の心にのさばろうとするあの女が憎い、ただそれだけだった。
踵を返し、足音を殺して歩き出す。
吹き抜ける風もないままに、狂人の妄想のように目覚めることのない悪い夢はまだ終わらない。







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